『オズ』その背景

王室年代記編者(Royal Historian)  と 王室画家( Royal Painter or Royal Artist) の紹介
オズの冒険談をまとめてくださった人を王室年代記編者といいます。 というのも、第一巻『オズの魔法使い』を書いた作者ボームのもとへは 郵便局の人がこまるほどのファンレターが届きます。 子供たちからのファンレターにはボームが舌を巻くほどのアイディアや思いもよらないリクエストが満載でした。 これを次々とオズの歴史にのこる大冒険談として仕立てていきます。 突飛でおどろかされる国や人々は、オズ→子供読者→ボーム→オズ……といった とめどもない循環でつむがれていくのです。 そこでボームは作者ではなく、自らを『王室年代記編者』と記したのがことの始まりです。
オズの年代記に美しい挿絵をほどこし、子供たちをますます摩訶不思議なオズの世界へと連れ込んだ人については 『王室画家』と呼ぶようになりました。
王室年代記編者・王室画家という和訳については、とても深い考察でボームのオズ本を訳された佐藤高子先生の本を参照しています。

出版当時のアメリカ
オズという不思議の国を最初に書いたボームが生まれ、 40巻のフェイマスストリーが発刊されるまでの時代背景を年表にしました。
アメリカは南北戦争から西部開拓時代、ブルジョアが台頭した帝国主義、第二次世界大戦、そして冷戦時代をむかえます。 鉄道、自動車、電気、電話、とさまざまな発見と発明がされていきます。 アメリカンドリームの象徴、鉄鋼王、自動車王、石油王を育てた時代がすっぽりとはいっています。 オズの物語も、最初は開拓時代を思いおこさせる殺風景なドロシーのカンサスの家の描写からはじまりましたが、 巻を重ねていくうちにご馳走、スピード感あふれる乗り物、ロケット、飛行機、テレビなどが次々と描かれていきます。 また東洋の国をモデルにかかれた15巻では、着物や辮髪(べんぱつ)、おじぎ、凧、花火について描写され、 当時のアメリカ人がどのように東洋の国を見ていたのかがうかがえます。 オズは私たちの時代をともに生きている物語なのです。 よろしかったら参考になさってください。

出版社
オズのフェイマスストーリーを出版した Reilly & Lee companyを紹介しています。

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