15巻から33巻の紹介
二代目オズ王室年代記編者
ルース・プランリー・トンプソン(Ruth.Plumly.Thompson)女史の作品
ボームの死後、ボームがファンレターなどから得た次の話の構想が残されていました。出版社は新しいオズ王室年代記編者を募ります。
ルース・トンプソンは幼いころからオズのファンで、新聞の子供用コラム欄を担当するライターでした。
オズの面白さを引き継ぎ表現できると見込まれたトンプソン女史はその後毎年一冊のペースで33巻まで執筆します。
トンプソンの作品は、つぎつぎと風変りな社会を見せてくれます。
オズの国では統治者オズマ姫さえまだ知らない国がたくさんあるのです。
トンプソンはアメリカの少年達を次々とオズに送り込みます。主人公達は予想もつかない奇想天外な国々にいつのまにか紛れ込んでしまいます。
そして、その国の住人に捕まったり、とどまるようにすすめられます。
各々の国にはその国に暮らす人々の常識があります。その常識を受け入れてとどまるもよし、去るもよし。すべては自分の選択にかかっています。
主人公たちはそれぞれの国を抜け出して自分の場所へと戻っていきます。
トンプソンの作品では元気なアメリカの少年達が多く描かれます。
人生の迷子になったら一読されると、一歩を踏み出す勇気をもらえると感じるのは私だけでしょうか?
第十五巻
『The Royal Book of Oz』 |
1921年R.P.Thompson(著) J.R.Neill(絵) |
『オズの王室事典』 |
2010年小津之友子(訳) 北島緑(絵) |
ムシノスケ教授が有名人について事典をつくるといいだました。
かかしは有名人ですが、家族も家柄もないから書くことは少ないといわれ傷つきます。
かかしは悩んだ末、自分の家族をさがしに出かけることにしました。
そして念願の故郷を見つけだしたのですが、なかなかなじめません。裏では「かかし暗殺計画」が始動していました。
かかしの親友ドロシーと臆病ライオンが救出に向かいます!
臆病ライオンの勇気ある活躍は勇敢でけなげです。
第十六巻
『Kabumpo in Oz』 |
1922年R.P.Thompson(著) J.R.Neill(絵) |
『オズのカブンポー』 |
2013年小津之友子(あらすじ) |
パンパーディング王国ポンパ王子の誕生日のパーティでのことです。
急にケーキが爆発し「王子が正真正銘本物の妖精の姫と結婚をしないと
この国のすべてが消えさる」と預言がなされます。
あわてた王様は醜い妖精姫ファリーロを王子の妃にするときめます。
王子の味方である象のカブンポーは納得がいかず、王子をオズマ姫と結婚させようと旅につれ出します。
第十七巻
『The Cowardly Lion of Oz』 |
1923年R.P.Thompson(著) J.R.Neill(絵) |
『オズの臆病ライオン』 |
2013年小津之友子(あらすじ) |
ありとあらゆるライオンを集めているライオン好きの王様がいました。
たくさんのコレクションを持つ王様ですがまだまだ物足りないと思っていました。
そこで1000匹目のコレクションにはオズの臆病ライオンを手に入れようとたくらんだのでした。
第十八巻
『Grampa in Oz』 |
1924年R.P.Thompson(著) J.R.Neill(絵) |
『オズのグランパ』 |
2013年小津之友子(あらすじ) |
小さく貧しいラングバッド国のファンボ王は嵐の中で自分の頭を失くしてしまいます。
タッター王子は年老いた兵士グランパとともに王様の頭探しの旅に出発します。
旅の途中、たぶん山のふもとおそらく町で美しい花の妖精ウルサに出会います。
実はウルサは魔法で妖精の姿に変えられていたのでした。
第十九巻
『The Lost King of Oz』 |
1925年R.P.Thompson(著) J.R.Neill(絵) |
『オズの消えた王様』 |
2013年小津之友子(あらすじ) |
魔法の力を奪われた老女モンビは、下働きをしています。
そこで偶然にもガチョウのパジュカにでくわします。
このガチョウの本来の姿はオズの首相で、モンビの魔法で姿を変えられているのです。
実はオズの正当な統治者パストリア王もモンビの魔法にかかり姿を変えられているのです。
悪だくみを思いついたモンビはパストリア王を探しだそうとします。
第二十巻
『The Hungry Tiger of Oz』 |
1926年R.P.Thompson(著) J.R.Neill(絵) |
『オズの腹ペコタイガー』 |
2013年小津之友子(あらすじ) |
腹ペコタイガーはいつも腹ペコで、太った人間の赤ちゃんが大好物。
ある日、ラッシュ国から罪人を食べてほしいと招待されます。
腹ペコタイガーは罪人なら食べてもいいだろうと出かけますが、
差し出された罪人はいいひとばかりで食べる気がしません。かといってラッシュ国を抜け出る方法もわかりません。
ベッツィーが野菜人間とともに活躍します。
第二十一巻
『The Gnome King of Oz』 |
1927年R.P.Thompson(著) J.R.Neill(絵) |
『オズのラゲドー』 |
2013年小津之友子(あらすじ) |
つぎあて国では女王交代の時期になりました。
二人の大臣が魔法の糸巻きで次の女王を求めると
はつぎはぎ娘のスクラップスのもとへと導きます。
そこで二人の大臣はスクラップスを誘拐し女王にします。
つぎあて王国での女王の仕事にうんざりしたスクラップスは、しゃべる熊のぬいぐるみと抜け出すことにします。
第二十二巻
『The Giant Horse of Oz』 |
1928年R.P.Thompson(著) J.R.Neill(絵) |
『オズの大きな馬』 |
2013年小津之友子(あらすじ) |
マンチキンの湖に浮かぶ島オズレ国。
長い間苦しめられている怪物から
いけにえとして生身の少女を要求されました。
オズで生身の少女といえば
エメラルドの都オズマ姫の宮殿に暮らすアメリカの少女ドロシー、トロット、べッツィの三人のみです。
王子フィラドールは北のよい魔女に助けを求めに旅立ちますが、預言者アクバットは少女誘拐をたくらみます。
第二十三巻
『Jack Pumpkinhead of Oz』 |
1929年R.P.Thompson(著) J.R.Neill(絵) |
『オズのかぼちゃ頭のジャック』 |
2018年小津之友子(訳) 北島緑(絵) |
かつてオズに来たことのあるフィラデルフィアのピーター少年が
なんとなくオズのことを考えていると、いつのまにかかぼちゃ頭のジャックの家の庭に立っていました。
ピーターはとりあえずエメラルドの都へジャックの案内で行くことにします。
途中で声をなくしたグリフィン、婚約者を誘拐されたボーンの男爵ベルフェゴールに出会います。
第二十四巻
『The Yellow Knight of Oz』 |
1930年R.P.Thompson(著) J.R.Neill(絵) |
『オズの黄色い騎士』 |
2019年小津之友子(訳) 北島緑(絵) |
ホークス卿は騎士道を求め、こっそりと冒険に旅立ちます。
気持ちのよいラクダのカミーはホークス卿のあとを追ってきます。
やがてカミーを探すサマンダラ国のサルタンに出会います。
じつはこのサルタン、500年ものあいだ二つの王国を隠していたのです。
ホークス卿は騎士の精神にのっとり、二つの国をもとに戻そうとサルタンに挑みます。
第二十五巻
『Pirates in Oz』 |
1931年R.P.Thompson(著) J.R.Neill(絵) |
『オズの海賊』 |
2021年小津之友子(訳) 北島緑(絵) |
声を失ったラゲドーは行商人として旅をする日々です。
ある日商いをしようと立ちよった国は人々がまったく話すことがない国でした。
そしてその国ではみせかけの王様を求めていていたのです。
ラゲドーはたくみに王様になり、海賊にオズの征服をもちかけます。
第二十六巻
『The Purple Prince of Oz』 |
1932年R.P.Thompson(著) J.R.Neill(絵) |
『オズの紫の王子』 |
2021年小津之友子(訳) 北島緑(絵) |
レガリア国のランディ王子は7つの試練をこえて、王座につかなくてはなりません。
試練を受けるため貧しい格好で旅をしていると、エレガントな象のいるパンパーディング王国(第16巻参照)に入国しました。
ところが急にパンパーディングの王族たちが消えてしまったのです。
パンパーディング王国はどうなる?カブンポーとともに冒険の始まりです。
第二十七巻
『Ojo in Oz』 |
1933年R.P.Thompson(著) J.R.Neill(絵) |
『オズのオジョ』 |
2022年小津之友子(訳) 北島緑(絵) |
マンチキンの少年オジョは、ジプシーにさらわれます。
捕らわれの身はオジョのほかに熊のスナッファブックスで、
見世物としてジプシーに利用されていました。
ある日ジプシーは盗賊一味に襲われ、
オジョと熊は盗賊の首領リアルバッドに助けられます。
そしてリアルバッドのやり方が気に入らない盗賊たちの陰謀を偶然知ってしまいます。
第二十八巻
『Speedy in Oz』 |
1934年R.P.Thompson(著) J.R.Neill(絵) |
『オズのスピーディ』 |
2023年小津之友子(訳) 北島緑(絵) |
空中に浮かぶアンブレラ島は巨人ロクソーのおでこにぶつかり怒りを買います。
巨人は自分の召使として男の子を差し出すよう要求してきます。
そこへアクシデントからニューヨーカーのスピーディ少年がやってきます。
スピーディは沈みかけたアンブレラ島を修復したりと大活躍なのですが、
このままでは巨人の召使に差し出されてしまいます。
第二十九巻
『The Wishing Horse of Oz』 |
1935年R.P.Thompson(著) J.R.Neill(絵) |
『オズの願いをかなえる馬』 |
2024年小津之友子(訳) 北島緑(絵) |
スカンパビア国は小さな小さな貧しい国。
というのも王様スカンペローは怠け者だったのです。
あるとき願い事をかなえる馬があらわれ、王様は裕福なオズ国の王様になりたいと願います。
すると、エメラルドの都ではオズマ姫達の姿が次々と消えさり、かわりにスカンペロー王が君臨していました。
たまたま難をのがれたドロシーが立ち向かいます。
第三十巻
『Captain Salt in Oz』 |
1936年R.P.Thompson(著) J.R.Neill(絵) |
『オズのサルト船長』 |
2025年小津之友子(訳) 北島緑(絵) |
アト王はキャプテン・サルトとその船三日月号の姿を探し求めていました。
というのも半年後に冒険に連れていってもらうはずだったのです。
三年11か月と26日がすぎ、ついにサルト船長が姿をあらわしました。
サルト船長には乗組員がいませんでしたから、アト王はコックとして船に乗りこみ冒険へいくことになりました。
第三十一巻
『Handy Mandy in Oz』 |
1937年R.P.Thompson(著) J.R.Neill(絵) |
『オズのハンディ・マンディ』 |
2026年小津之友子(訳) 北島緑(絵) |
マンディは7本の腕を持つ羊飼いの娘です。
ある日のこと、爆音とともに吹き飛ばされたマンディは
ノクスという牛に助けられます。この国では王位継承者のケリーが行方不明でノクスは探していました。
マンディは不思議な力をもつノクスの角に導かれケリーを探す冒険にでることになります。
第三十二巻
『The Silver Princess in Oz』 |
1938年R.P.Thompson(著) J.R.Neill(絵) |
『オズのシルバー姫』 |
2027年小津之友子(訳) 北島緑(絵) |
ランディ王子とエレガントな象カブンポーは嵐に巻き込まれます。
そして惑星からやってきたという銀のお姫様と黒い金属の馬トゥンに出会います。
ランディ王子は美しい銀のお姫様に恋をします。
しかし銀のお姫様はバナジウムに身を浸さなければ動けなくなってしまうのです。
そこで強力な魔法の力をもつジニキーをおとずれることにします。
第三十三巻
『Ozoplaning with the Wizard of Oz』 |
1939年R.P.Thompson(著) J.R.Neill(絵) |
『オズの飛行計画』 |
2028年小津之友子(訳) 北島緑(絵) |
オズの魔法使いが発明品の飛行器2台を披露します。
ところが緑の髭の兵隊の誤操作で、召使いのジュリアジャムとブリキの木樵りを乗せたまま
どこへともなく飛び立ってしまいます。三人は天空の国ストラトバニア国へ不時着しますが、
ストラトバニアの王ストラトビオスはオズの話をきき、征服を思いつきます。
Happy end をあなたに